コルポ建築設計事務所

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個別冷暖房か全館冷暖房か

昨日に続き、冷暖房の話。家のどの範囲で冷暖房するのかということについて。
個別冷暖房
一般的には上の図のように、各部屋ごとを冷暖房するイメージかもしれません。ところがこの方法ですと、各部屋にエアコンを置かなければいけませんし、部屋以外の部分(廊下、トイレなど)については、エアコンが置かれないため、特に冬場はとても寒い空間になってしまいます。いわゆるヒートショックはこういう空間があるために起こってしまいます。
全館冷暖房
それに対して、家全体を均一に冷暖房しようというのが、全館冷暖房になります。このようにコントロールできれば、ヒートショックの原因となる空間も存在しないため、とても快適な空間になります。全館冷暖房というと、そんなことをしたら光熱費がすごいことになるのでは?とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
 
ですが、実際この全館冷暖房をやるには、高い断熱性能をもつ住宅で計画することになります。ですので、実際には6畳用のエアコンが1,2台で実現してしまいます。光熱費が大変になるどころか、光熱費が節約できる上に家の中の快適性も手に入れることができます。
 
そう考えてくると、これからは全館冷暖房で快適な家を増やすことが、省エネにもなるし、家計にもやさしいということになります。次回は、これまでの話を踏まえての床下暖房についての話。

2015.01.20

冷暖房の方法

今日は、冷暖房の方法について、あらためておさらいをしてみたいと思います。そもそもどんな方法があるのでしょうか。
暖冷房方式 対流式
まずは、対流式といわれる方法です。現在、ほとんどの冷暖房がこれではないでしょうか。エアコン、ファンヒーター、ストーブなどがこれにあたります。メリットとしては、急速に冷暖房できること。デメリットとしては、温風や冷風が直接風に当たるので、それにより不快に感じる場合があります。
暖冷房方式 伝導式
続いては、伝導式です。床暖房やホットカーペットがこれになります。メリットとしては、風が直接当たることがないので、そういう不快さはなくなります。ただし、部屋全体をあたためようとすると、時間がかかってしまうことがデメリットです。
暖冷房方式 輻射式
最後は、輻射式。パネルヒーターやオイルヒーターがこれになります。あたたかい面やつめたい面からの放射熱を体に伝える方法です。空気を介さないので、体にやさしい冷暖房となっているのがメリットです。そして、デメリットは、こちらも対流式にくらべると、部屋全体があたたまるまでの時間が必要になることと、イニシャルコストが他の方式よりも割高になることです。
 
通常は、上記の方式のいずれかの方法で冷暖房することになります。エアコンが圧倒的に多く、その進化もめざましいので、一般的な住宅では冷暖房にまずエアコンということになっているのが現状です。
 
次はどの範囲で冷暖房するのか?というお話です。

2015.01.19

窓の庇

YKKAP コンバイザー
 
この窓の庇もコロンコーポについていた庇です。庇は、雨除けにも日除にもなるので、軒が出ていない建物の場合はあるとよいですね。庇の裏側に黒い線が横にはしっているのが見えると思います。現場でみていて、これなんだろう?と思っていたので、帰ってきて調べてみたんです。
 
YKKAP すだれフック
 
それがこれでした。市販品のすだれが取付できるようなフックがオプションで設定されていたんです。どうせ庇をつけるのであれば、こういう一石二鳥的なアイテムのほうがうれしいですよね。夏よく見るようになった風景として、窓に掛けられているすだれ。しかも、そのすだれがキレイに掛けられているお家のほうが、どうも僕調べでは少ないように感じます。こういうフックがついていれば、すだれもキレイに掛けられるので、庇をつける場合はこういうのをお勧めしたいです。
 
YKKAPのコンバイザーという商品でした。リンクはこちらです。カラーバリエーションも、ブラウン・カームブラック・ピュアシルバー・マットステンT・ホワイトの5色から選べるので、どんな住宅にもあわせることができそうです。

2015.01.18

スイッチプレート

PFS トグルスイッチプレート
 
写真は先日オープンハウスでお邪魔したコロンコーポで見つけたスイッチプレートです。建物はいろいろな部材からできているので、それをひとつひとつ吟味して、選定していく作業でもあります。いつも見慣れたスイッチプレートと違うものを見ると新鮮ですよね。
 
これは、パシフィックファニチャーサービスのトグルスイッチプレートです。このスイッチは、昔の機械にあったようなスイッチで、オンオフの切替をするのが気持ち良さそうです。
 
PFS トグルスイッチプレート
 
同じ色で表面仕上げが2種類あり、つやのある光沢表面と、ペンキでぬったようなマット表面から選ぶことができます。個人的にはあまり光沢がないほうが、空間に対して主張しないので馴染むと思います。プレートと一緒にトグルスイッチも必要なので、購入の際はお忘れのないように。
 
PFS トグルスイッチプレート
 
光沢のあるなしと表面の色と素材を合わせると、全部で5種類のプレートがあります。ステンレスのプレートに黒のスイッチの組み合わせも、しっかりした雰囲気でいいですね。また、機会がありましたら、プレート等紹介しますので、家づくりの参考にしてみてください。

2015.01.17

一級建築士 定期講習

一級建築士 定期講習
 
昨日は、3年に一度の建築士の定期講習の日でした。この講習は、以前問題になった姉歯事件以降に設けられた制度で、今回受講するのは2回目。朝から夕方までの講義があり、最後には考査もあり、なかなかハードな一日。緩い考査かと思いきや、1時間でギリギリという感じの考査なんです。その講習であらためて読んだのが以下の条文です。
 
第1条  この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
 
これは、建築基準法という建物を建てる際に守るべき法律の基本です。その法律の第1条です。そこに書いてあるように建物は、生命を守り財産になるものだという意識は今までもあったんですが、その中の健康というところがすっかり抜けていたんじゃないかなと感じました。昔と違い今は、あたたかい家をつくることで、住んでいる人が健康になるということが、これからはとても重要なことだと考えています。しかし、すでに建築基準法の最初の条文にあったことは驚きでした。制定されたのが1950年なので、その当時の健康と今の健康の意味合いは少々違うと思いますが、健康という文字が含まれていたことは発見でした。
 
ただ、この条文にもあるように最低の基準なので、今の技術でより健康になれる住宅を提供していくことが大切だとあらためて考える機会となりました。一日の講習でへとへとでしたが、そんな発見もあったので、たまにこういった講習もいいのかもしれません。

2015.01.16