昨日発売になった建築知識ビルダーズの第2特集は高性能賃貸住宅でした。私が独立してすぐ手掛けた建物も高性能賃貸住宅ですが、もう8年も前になるんですね。その頃は、そういうアパートがこれから増えてくるんだと考えておりましたが、8年経ったいまでもそんなに増えていない状況です。
この特集の中でも普及しにくい点があげられていますが、高性能だからといって融資が増額になったり、融資年数が延長になったりすることがない状態なので、金融機関で性能を評価してもらえるような仕組みづくりが必要とのこと。この辺を独自に判断してくれる銀行があればいいのですが、なかなかないのでしょうね。
来年はこの辺りを積極的に学んで行きながら、少しでも高性能な賃貸住宅が普及するように頑張りたいです。そんな賃貸住宅をご希望のオーナーさんがいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。
山形市に続いて東根市もやまがた健康住宅の認証を取得した住宅に補助金が出るようになりました。山形県内の各市町村で、この流れが広がっていくとよいですね。戸数が明記されてないようですが、早めのほうがいいんでしょうね。
東根市のHPはこちらよりご確認いただけます。
上の写真は、私が現在借りている事務所の改修前の写真です。この見晴らしのよい大きなガラスなのですが、シングルガラスという断熱的には非常に不利な状態でしたので、自分が借りる際は断熱改修することを前提に借りようと考えておりました。
私が独立したころに比べると、高断熱高気密の住宅はだんだん増えてきたなと感じているのですが、一向に進んでいないのが多くの人々が働いている環境の断熱化だと感じるようになりました。最近は働く環境の良し悪しがだいぶ論じられる機会はあると思うのですが、その働く環境の温熱環境までには話が及んでないように感じます。ですが、きちんと高断熱高気密化された環境は、日々の光熱費の削減に寄与するだけでなく、ストレスのない労働環境を生み出し、生産性の向上なども望めることになります。暑くないし、寒くないので、仕事に集中できる環境になるんですね。また、暖冷房負荷の軽減は、環境負荷への低減になるなど、まさにやって損になるようなことはなにもないはずなのですが、あまり進んでない状況です。
オフィスの断熱改修は住宅よりも単純に実現できます。そのタイミングはやはり上の写真のような賃貸契約するタイミングだと思います。床・天井・壁を断熱材で覆いながら、窓の弱い部分に内窓を設けるなどするだけです。
上の写真の白いサッシが既存のアルミサッシ(ガラス一枚)になります。そこに樹脂窓を内側から取付けています。
また、私の事務所の玄関ドア(茶色い扉部分)は、スウェーデンのスニッカルペールというメーカーの高断熱ドアとなっております。細かいことですが、こういうことに気を配りながら、気密シート張って改修工事を行うことで、とても快適な環境となっております。賃貸なので、致し方ない部分ももちろんありますが。。。
日本は、2030年までの二酸化炭素の削減率を46%にすることを目標にしておりますが、どんな手段で実現していくのか、あまり積極的に論じられておりません。実際にできることからやるという意味では、住宅もそうですが、オフィスにも力を入れていきその削減を目指していければいいのではないでしょうか。家も、オフィスもストレスない環境で暮らせたら、とても幸せを感じられそうです。やまがた健康住宅だけでなく、やまがた健康オフィスなどの基準があってもいいですね。
やまがた健康住宅の基準が4月1日より変更になるようです。C値の変更については、みんなクリアできるようになってきたんですかね。UA値の変更はたぶんHEAT20のG3の基準に合わせてきたものだと思います。HEAT20の基準はこちらから。
最近家の暖房費の出費を見て驚いたので、あらためて家の燃費を実感しました。わが家の暖房は都市ガスなのですが、昨年と同じ使用量なのに、請求金額が1万円ほど上がっているのでした。。。やはり、単価が上がった影響は大きいですね。ガソリンは単価見ながら入れるので、なんとなく感覚で高くなったのがわかるのですが、都市ガスはお知らせが来ないとわからない。。。なので少々驚いた次第です。
ということで、このブログを書いているわけですが、車と同じように家の燃費も今は計算できる時代です。これから、燃料が安くなることはあまり考えられないので、家の燃費は少ないほうがよいと誰しも考えるのではないでしょうか?ですので、これから住宅をお考えの方は、ぜひ家の燃費を計算してもらってください。これができるところへ依頼してください。私は簡単に計算できるQPEXというソフトを使用して計算しています。上の画像はその最新バージョンの写真になります。日々進化しているので、古いバージョンよりは新しいバージョンのほうがよいでしょう。
結果はこんな風に画面上で出てきます。ちょっと見づらいかもしれませんが、真ん中ぐらいに年間冷暖房用消費エネルギーという文字があるのがわかりますでしょうか。その下に赤い字で4060という数字もあると思いますが、これがこの住宅の年間を通じた冷暖房に使うエネルギーになります。家の燃費がこのように計算できるという事実がまだまだ広まっていないと思いますので、ぜひこういう計算をしてもらって、なるべく燃費のかからない家を手に入れてください。そうすれば、家の暖房費にそんなに怯えることがない生活が手に入ると思います。
早く暖かくなって欲しいです。。。