コルポ建築設計事務所

Eco

基準一次エネルギー消費量を35%以上削減

タイトルにある基準一次エネルギー消費量を35%以上削減とは、GX志向型住宅の補助金の適用要件になります。補助金が160万円もらえる住宅です。これがどのくらいなのか、ちょっと検証してみました。検証したのは最近竣工した住宅でUA値が0.23の断熱等級7の住宅になります。このぐらいの断熱性能のある住宅で、換気を第3種換気にした場合の一次エネルギー消費量が以下の表になります。
 

 
基準一次エネルギー消費量を35%以上削減とは、表内の②÷①が0.65以下になればよいことになります。
①の合計:101624
②の合計:66321
②÷①=0652612 となり、わずかに削減できない数値になりました。
 
そこで、換気を熱交換器に変更してみたのが、以下の表です。熱交換器については、マーベックスのsumikaの性能値で入力しております。当事務所でおすすめしたい熱交換機です。
 

 
①の合計:101624
②の合計:62152
②÷①=0.611558 となり、無事35%以上削減することができました。
 
上記の検証から、断熱等級7の住宅でも熱交換機が必要となるため、補助金の必要要件を満たすには、熱交換機を導入し、断熱等級6でUA値が0.3ぐらいだとギリギリ補助金の要件をクリアできそうな雰囲気です。こうやってみると、35%以上の削減は簡単ではないけど、難しくもないという微妙なところで設定されているような気がしました。とはいえ、断熱性能があがって、使用エネルギーがより減る住宅になるので、積極的に活用していきたいですね。補助金には太陽光パネルも搭載する必要があるので、そちらは今後検証してみます。
 
GX志向型住宅の補助金について不明なところなどは、お気軽にお問い合わせください。

2025.02.01

気候変動とエコ住宅

先日、村山地域地球温暖化対策協議会の20周年記念講演会に行ってきました。東京大学の江守氏とClimate Integrateの平田氏の講演会で、とても勉強になりました。気候変動を抑えるためには、本当に待ったなしの状況なのが、あらためて理解できました。
 
 
写真はその会場で配られたClimate Integrateで作成したパンフレットです。このパンフレットが日本の住宅の実情をよくまとめており、気候変動対策のパンフレットにもかかわらず、すごいと感じた次第です。
 

 
寒い日本の家の現状や遅れている対策など、各国の基準やWHOのガイドラインなどとも比較されており、このまま当事務所のパンフレットにもできるような内容でした。
 

 
このパンフレットの冒頭に、住宅の性能をあげることが、CO2の削減+快適性の向上+健康増進の同時達成ができると書かれていて、あらためてそういう部分にも貢献できていると再認識いたしました。なにより、自分の家の性能をあげることが、地球の気候変動対策として有効な手段であるというのは、気持ちよく暮らしていけそうです。

2024.12.23

GX志向型住宅補助金

令和6年11月22日に「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~」が閣議決定され、GXの推進に関する取組みとして、「建物の断熱性能向上や(中略)住宅・建築物における設備の省エネ化の取組を支援することによって、取組を加速する」方針が示され、さらにエネルギーコスト上昇に強い経済社会の実現に向け、「省エネ性能に優れた住宅の普及を促進するため、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象とした高水準の省エネ住宅の新築、住宅の省エネリフォームを支援する。断熱窓への改修、高効率給湯器の導入を支援する。」方針が示されました。
 
上記は環境省HPより転載しましたGX志向型住宅補助金創設の背景になります。
 

 
つまりはZEHの基準よりも高い性能の住宅を建てることが必要なので、そこに補助金を出します。ということなんですね。これから、雪の降る時期にかけて、補正予算つけますと言われてもピンと来ない気もしますが、より高い性能が必要だという認識は同じなのでよかったです。詳細はこれから出てくると思いますので、注目していたいと思います。環境省の報道発表のHPはこちらです。
 
また、新しい情報もわかりましたら、お伝えしていきます。
 
GXという言葉もこのニュースで初めて知りました。グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)の略称で、温室効果ガスの排出を削減し、クリーンエネルギー中心の社会へと変革していく取り組みを指すようです。

2024.12.03

やまぽっかのススメ5

やまぽっか(やまがた省エネ健康住宅)のおすすめ記事の5回目。 
 
おすすめ記事の最後は補助金のお話です。山形県では、やまぽっか基準の性能を有し、一定量の県産木材を使用している新築住宅に対して、70万円の補助を行っています。夏は涼しく、冬はあたたかい性能基準を有した住宅にするだけで、70万円もらえるのは大変有り難い制度ではないでしょうか。この物価上昇の中、嬉しい施策だと感じています。そのため、毎年早めに募集が締め切られますので、早め早めの申請をおすすめします。
 
そして、東根市にお住まいになる方には、さらに市から30万円の補助金の交付があります。県の補助金70万円と東根市の補助金30万円を合わせると、100万円の補助金を受けられます。すごいですね。昨年までは山形市の補助金もあったのですが、山形市の補助金は今年度からなくなってしまいました。個人的には、山形市の補助金も復活して欲しいですし、県内の各市町村で同じような補助金が受けられるのが理想です。
 
全5回ほどにわたりやまぽっか(やまがた省エネ健康住宅)のおすすめ理由をあげてきました。家の性能はなかなか分かりづらいのですが、今はきちんと計算できますので、ぜひそういったものを活用して,やまぽっか基準の住宅をつくっていただければと思います。

2024.10.08

やまぽっかのススメ3

やまぽっか(やまがた省エネ健康住宅)のおすすめ記事の3回目です。
次におすすめする理由としては、気密性能の基準が決められていることがあげられます。
 

 
前回でも見ていただいた上の表ですが、右側に書いてある隙間相当面積(C値)というのが気密性能の基準になります。来年から義務化になる国の基準でも気密性能については示されませんが、やまぽっかの基準としてはしっかり明記されております。これは断熱と気密をセットで考える必要があるためです。
 

 
気密性能が低いと家の中にたくさんの穴が存在することになり、せっかく暖めたり、冷たくしたりした空気もどんどん外に逃げて行ってしまいます。ですので、気密性能は住宅の性能をあげるうえで非常に重要な数値になります。その基準がしっかり示されているので、やまぽっか基準の家づくりを行う人は気密性能を測定して基準以下であることを示す必要があります。
 
国の基準では今後もこの気密性能の基準がない予定なので、これから建つあたらしい住宅でもしっかりとした気密性能を有しない住宅が存在することになりかねません。そうしたことを防ぐ意味でも、やまぽっか基準の住宅をつくることをおすすめしたいのです。断熱と気密はどちらもセットで考えなければならないので、どちらの数値もきちんと、工務店やハウスメーカーなどに確認して、十分な性能があることを確かめてください。

2024.09.24