コルポ建築設計事務所

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HEAT20の推奨基準を考える

heat20
 
上の写真は、HEAT20の設計ガイドブックです。HEAT20がどのくらい認知されているのかわからないので、ちょっとHEAT20について書いてみようと思います。
 
HEAT20とは、2009年に発足しました「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称。何度かこのHPでも次世代の省エネ基準が最低の基準であることを書かせていただいておりますが、その先の目標となる推奨基準がHEAT20では示されています。ですので、次世代省エネ基準をクリアしている性能の住宅より、HEAT20の推奨基準をクリアしている住宅のほうが、断熱性能が高いことになります。
 
個人的には、これから建てる建物はこのHAET20の推奨基準を最低でも満たしたほうが良いと考えています。そういった意味で基準となる数値だと思います。ちなみに、推奨グレードが2つあって、HEAT20 G1とHEAT20 G2の2つになります。それぞの数値は以下のようになります。(山形市:地域区分4)
 
HEAT20 G1 :UA値 0.56  Q値 1.9
HEAT20 G2 :UA値 0.46  Q値 1.6
 
このぐらいの数値ですと、熱交換器を使用しなくてもクリアできる基準ですので、コストもそんなに増加せずに実現できる性能だと思います。ここから、さらに性能をあげて、床下エアコン暖房などをやっていこうとすれば、熱交換器などの設備機器が必要になるレベルです。今後満たしていくべきと先ほど書きましたが、できればG2の推奨基準をクリアして建てるべきと考えています。手間はそんなに違わないので、どうせなら上の性能を考えてみてください。断熱性能を高めた住宅を求めている方は、HEAT20 G2をクリアするようお願いしてみるとよいと思います。
 
現在施工中のみはらしの家はそのHEAT20 G2よりも若干性能が高いのですが、実際に現場を見ていただければ、より理解が深まるのではないでしょうか。HEAT20については、こちらのページに詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。
 

2015.11.24

軒先用雪止め スノーグリッド取付

昨年竣工したCasa Montañaですが、軒先の落雪防止のための雪止めを取付ました。雪止めと聞いてみなさんがイメージするのは、三角のカタチをしたストップオーケーだと思います。ですが、あれを軒先につけるとどうしても目立ってしまうため、とても目立たずに雪を止めることのできるスノーグリッドというものを取り付けてみました。
 
軒先用雪止め スノーグリッド
 
これがそのスノーグリッドと呼ばれるネットになります。素材は高密度ポリエチレン製で錆びないために、屋根へのもらいサビなどの心配もありません。耐久年数も50年間は大丈夫とのこと。
 
軒先用雪止め スノーグリッド
 
そのネットを専用のバンドとジョイントによってこんな具合に施工します。2棟あわせて44mほどの施工長さがあるのですが、午前中で施工も終了しました。材料が軽いし、施工も単純なためにそんなに時間がかからないのだそうです。
 
軒先用雪止め スノーグリッド
 
そして、完成して見上げたところはこんな感じになります。これだと、やはり雪止めがついているのかどうかもわからない感じです。たぶん、アパートに住んでいる方も気づかないと思います。これで、きちんと雪が止まってくれれば、とてもよい商品ではないでしょうか。実際施工もしていただいた社長さんは、自信を持って止まりますとおっしゃっていました。雪が降るのが少し楽しみです。
 
雪が降った状況もまたご報告できればと思います。詳しくはスノーグリッドのHPでご覧になってみてください。値段も三角のものよりやさしいのがうれしいポイントです。
 

2015.11.13

みはらしの家 タイベックハウスラップ施工

みはらしの家は、外部サッシ、玄関ドアも入り、タイベックハウスラップの施工が完了した状況です。これから、外部の軒天井の作業になります。
 
タイベックハウスラップ施工
 
上の写真のタイベックを見てなにか気づく人はいらっしゃるでしょうか。僕も最初はわからなかったのですが、タイベックの長さが3mのタイプなんです。タイベックハウスラップは、タテ方向の長さが1mと3mのものがあります。上の写真のタイベックは3mの長さなので、このぐらいの高さでも重ね部分がないんです。これだと防水層として、1mのもので施工されるより信頼性が上がりますよね。こういう細かいところへの気遣いがよい建物に繋がっていくんだと改めて思いました。
 
そんな細かい部分も現場見学会で確認できますので、興味があればご覧になってください。
 

2015.11.10

みはらしの家 付加断熱施工中

みはらしの家は、壁の合板張りが終わり、付加断熱施工の真っ最中です。付加断熱とは、柱と柱の間に入れる断熱材(充填断熱)にプラスして、外側にさらに付け加える断熱材(付加断熱)のことを指します。下の写真は、付加断熱を施工する前の状況になります。今回は高性能グラスウール16㎏品を50mm付加することにしていますので、そのグラスウールを支える桟木を先に壁に留めていきます。
 
付加断熱
 
そして、その桟木の間にグラスウールをひとつひとつ丁寧に入れていきます。まさに、丁寧にという言葉がふさわしい感じで、グラスウールを壁にはめ込んでいきます。とても地味な工程ですが、このグラスウールがあるかないかで家の性能はまったく違ってくるので、とても大事なところでもあります。
 
付加断熱
 
壁全体を施工し終えるとこんな感じになります。50mmの付加断熱を施工している現場は、街中ではまだあまり見かけませんが、今後は最低でもこのぐらいの断熱をすべきだと考えております。ですので、私の手掛ける住宅では最低50mmの付加断熱という考え方でやっていこうと考えています。そうすることで、家のあたたかさにもつながり、省エネにもつながっていくことになります。
 
付加断熱
 
11月28、29日の断熱構造見学会では、普段は隠れてしまって見えないこのような部分をみていただければと思いますので、興味のある方はぜひ参加してみてください。

2015.11.04

洗エールレンジフード知ってますか?

僕は勉強不足で知らなかったのですが、先日、建築主の方より打合せ時におしえていただいたレンジフードです。聞いたその場では、洗えるレンジフードってすごいなぁと感じつつも、そういう機構的なものがすごく複雑で壊れないのだろうかと思いながら聞いていました。
 
araeru
 
後日、そのレンジフードを見るのも兼ねてショールームに行ってきましたが、どうも想像以上に複雑な機構ではない印象。ただ、お値段は普通のレンジフードと比較すると割高ですが、お掃除にかかる時間を考えたら、十分に元が取れる金額だと思いました。聞けば、クリナップとパナソニックの両社で共同開発したレンジフードとのことでした。それを、クリナップでは「洗エール」というネーミングで売り出しているようです。ちなみに、パナソニックでは「エコナビ搭載洗浄機能付フラット形レンジフード」という長い名前の記載になっておりました。これは、洗エールのほうが断然わかりやすいですよね。
 
便利になり過ぎて、機構が複雑になるものが多いなか、これはシンプルで負担を軽減できるものではないでしょうか。レンジフードを洗うのは、大掃除の恒例行事に家ではなっていますが、このレンジフードだと約10分で終了なんです。気になる部分がこんなに簡単に洗えるレンジフードがあるとわかれば、欲しいと願う奥様方は多いと思いますがいかがでしょう。ちゃんとお手入れサインというものでおしえてくれる機能もあって、至れり尽くせりのレンジフードでした。
 

2015.07.21