いつも外構をお願いしているランドスケープアーキテクト 工藤まいさんより写真とテキストが届きました。ぜひ、ご一読いただければと思います。
7月末、鉄砲町の家の外構が竣工になりました。
現在、来春の植栽工事に向けて、施主様と打ち合わせを進めています。
今年の1月末、建築の実施設計図面が仕上がったタイミングで外構の初回打ち合わせを行いました。
鉄砲町の家はオープン外構。玄関までの距離が長いため
「アプローチが一番重要」
「緑が豊かなプローチ」
「落ち着きがあって安心する雰囲気、華やかも加わったら素敵だね」
など、建築家の石山さん、施主様、皆で外構について話し合います。
施主様が参考資料として雑誌「新建築」を持参。専門雑誌なので驚きましたが、施主様のご職業も専門職でした。
「舗装のイメージはグレー系」とのこと。事例を持参いただくと、施主様とイメージの共有がよりできるので設計者としては大変有り難いです。
初回ミーティング後はご要望を反映した図面を作成。図面の他、樹形の違いをわかりやすくお伝えしたいので、建築パースをベースに植栽のイメージスケッチを作成します。
建築のお引き渡し後は施主様のご自宅でお打ち合わせを行いました。
施主様もお引越しをされて、庭の要望もより具体的になります。
提案資料として、平面図とスケッチの他、樹種リストを提示しています。
見た目、機能、管理、そして厳しい山形の冬に適応する樹種を選びます。
提案資料を元に、実際に室内から
「庭ができたら窓からどんな風景が見えるかな」
「樹木の高さは十分だろうか」
など、シミレーションしていきます。
家族全員で他県から山形に移住された施主様。山形により愛着を持って頂けるような空間にしていきたいです。
いつも外構をお願いしているランドスケープアーキテクト 工藤まいさんより写真とテキストが届きました。ぜひ、ご一読いただければと思います。
元木の家は2020年に建築、外構が竣工し、去る2024年6月14日に剪定管理と写真撮影を行いました。元木の家は、約280m2 の敷地に建つ木造2 階建て住宅になります。大通りから一本入った住宅街に位置しており、近隣には公園、学校、大型食料品店があり、とても便利な立地です。
施主様は30 代の若いご夫妻。小さいお子様が3 人いらっしゃる子育て真っ最中のご家族です。
アプローチを進むと、茂った数種の高木が玄関まで誘引してくれます。
白い壁とのコントラストで、より植栽の迫力を感じます。
元木の家は、ご主人の実家を建て替えた住宅になります。2020 年2 月、解体前の敷地を見に行きま
した。
施主様と庭のお打ち合わせ時に、
「既存の庭は毎年、植木屋さんに庭の剪定管理を依頼していた」
「ご主人のお母様が、ご主人の大学合格祈願としてクリスマスローズを庭に植えたので、そのまま残して頂きたい」
等のお話から施主様にとって沢山の思い出がある場所だと認識しました。
建築家の石山さんが建築の配置を大きく変更せず、既存の庭もまるごと残して頂いた点もそのような背景を組みとってプランニングされたこともわかりました。
建築引き渡し後の既存の庭です。
正面から見た庭の印象は、植栽のボリュームがそれほど多くはないように感じますが、東側から西側にかけ延長22m もの植栽帯があります。
アオキ、サザンカ、ツツジ類、アジサイ、ムスカリ、どの植物も生育状態が良く、根鉢もしっかり大きく丈夫で、長い年月をかけて大事に育てられた様子がわかります。
これからの庭は
・小さなお子様がいらっしゃるため、あるきやすい舗装
・お子様が楽しめる庭
・リビング窓を目隠しする樹木
・昭和の雰囲気が漂う境界ブロック存在感を薄くする
・現代的でやわらかい庭
上記の新たなことに加え、既存の植栽をなるべく残しながら、単調にならない立体的な庭を目指しました。
既存の刈り込みされた和風のツツジは、剪定と新規の植栽を混ぜることで洒落た雰囲気に変わります。ご主人のお母様の下草類も移植をして残しました。
舗装は自然石を採用することで、季節や日々の天候、経年による色彩の変化も楽しむことができます。
元木の家は、過去も、これからの未来も、家族の蓄積された愛がより目に映りやすい場所になると、いいなと思い設計しました。小さなことでも、変化がある庭は家族のコミュニケーションのツールになります。そして、住みやすい美しい家は家族の絆をより深めてくれます。
「最近、忙しく手入れできないです」「今日、花が咲きました」「やっぱり冬は暖かい家はいいですね」「どの家を見ても我が家が一番!」お引き渡しから4年を過ぎても、奥様が楽しそうにお家の話をして下さることで、元木の家の皆様がとても幸せな様子が伝わってきました。
昨日は、いつもお庭をお願いしている工藤さんの撮影の立会いで見晴らしの丘に行ってきました。今回の撮影は、いつも撮影をお願いしている志鎌さんです。とても天気がよく、撮影日和でした。お庭が完成してから、3年が経過してからの撮影で、小さかった木々がたくましく成長しており、少し子どもの成長を見るような気持ちで立ち会っていました。
撮影した写真はどんな形になるかわかりませんが、見ていただけるようにしたいと思いますので、その時はぜひご覧ください。
東根の若木の家の外構工事の第一弾が終了しました。今回は床面のハードな部分の仕上げが先行して完成しました。
施工前と後を較べていただくと雰囲気の違いがわかるのではないでしょうか。
赤い棒が立っているところに、さらに植栽を追加する予定です。秋には、選定なども入るのでまた雰囲気がぐっとよくなると思います。
今回もデザインは工藤まいさん、施工は仙台の泉緑化さんにお願いしております。引き続きどうぞよろしくお願いします。
いつも外構をお願いしているランドスケープアーキテクト 工藤まいさんより写真とテキストが届きました。
長岡の家1・2は2019年に建築、2020年に外構が竣工し、先月の6月22日、外構の写真撮影を行いました。長岡の家1・2は約400m2の敷地に建つ平屋2棟の住宅になります。北側と南側、デザインが統一された2棟の建築が、静かな住宅街の一角に佇みます。
庭も今年で4年目になります。だいぶ木々も成長しました。
施主様がシーズン毎に1年草を植えて下さっているので、玄関前の花壇がいつも華やかです。
縦列のアルミ製のカーポートは、植栽の効果で存在感が薄れます。
長岡の家1の南側、長岡の家2の北側、大谷石の舗装と植栽が2棟を繋ぎ、路地裏のような雰囲気です。
長岡の家2の東側には、大谷石のテラス、隣地目隠し用のキンモクセイの生垣、高木イロハモミジ、低木シロヤマブキを植栽しました。大きく成長した黄緑色のモミジとダークベージュの外壁との相性が良く品があります。
建築、カーポート、近隣の建物、空の高さ、舗装から下草〜高木までの植栽、全て目に飛び込む風景です。それぞれの役割や特徴を明確にして配置することで、自然体な場所 (以前から存在しているような)に仕上がります。
長岡の家1・2は施主様をはじめ、建築家の石山さん、施工会社さん、携わるメンバー全員が空間イメージを共有することが美しい外構になりました。また、施主様の日常の管理、数年に1度のプロによる剪定で現在は竣工当時より重厚で充実した空間です。今回の長岡の家1・2の撮影では改めて色んな人のご縁と奇跡が重なった物件だと実感しました。
テキスト:ランドスケープアーキテクト 工藤まい
写真:土田写真店 土田貴文、ランドスケープアーキテクト 工藤まい