コルポ建築設計事務所

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自然素材とは?壁編

壁
 
壁の場合も、無垢の板で仕上げられていれば、文句なしに自然素材を使っていると言えますね。また、先日紹介したJパネルを使用した壁であれば、自然素材でありながら構造の耐力壁としての機能も付加されることになります。ただ、床も壁も天井も無垢の板というのは、ちょっと木で囲まれすぎた印象になりますが。
 
一方、自然素材の仕上げ材については、多くの選択肢があります。昔から使われてきた素材としては、漆喰・聚楽壁・和紙などがあげられます。また、珪藻土の壁も最近ではよく見られるようになりました。わが家の壁も珪藻土の壁ですが、ひとつ珪藻土で気になるところが。それは、汚れた場合の処理がなかなか難しいところです。雑巾などで拭いてすぐ取れればいいのですが、残ってしまう確率も高く、そうなるとずっと汚れとして残ってしまいます。消すためには塗り直すしかなくなってしまうので、10年も経つとなかなか汚れも目立ってくるという、珪藻土の場合はそんな生活した実感も参考にしていただければと思います。
 
そして、一番多いと思われる壁紙の自然素材と言われるものはどんなものがあるでしょうか。ケナフというアフリカや東南アジアの亜熱帯で自生する植物を原料とする壁紙やウッドチップを利用した壁紙などがあります。中でも、オガファーザーやルナファーザーは、ウッドチップや再生紙からできている塗装用下地の壁紙になります。その壁紙を張った後で、ペンキで壁・天井を塗ります。この塗装は7~8回程可能で、長期間にわたり張り替える事なく使用できます。そのため、従来の壁紙のように張り替えによるゴミの発生が無く、長期間にわたり廃棄物の減量に貢献します。汚れた際も塗り替えることで手軽にキレイにもなり、模様替えもできるので、長く住み続けることを考えると、このクロスはとても優れたクロスではないでしょうか。(写真は建具に張ったルナファーザーです。)
 

2015.01.27

自然素材とは?床編

フローリング
 
よく耳にする自然素材という言葉ですが、どういうものが自然素材なのか、あらためて考えてみるシリーズの床編です。興味があれば、お付き合いください。
 
床材は自然素材=無垢フローリングという図式が成り立っていると思うので、非常にわかりやすいと思います。では、その無垢フローリングではない床材にはどういうものがあるのでしょうか。
 
まずは、同じフローリングですが、無垢ではない複合フローリングというものがあります。複合フローリングは、合板の表面に化粧材を張ったものをいいます。その張った化粧材も、薄く削った天然木使ったものと、樹脂化粧シートなどの特殊な加工の化粧材を張ったタイプに分けることができます。
 
ここで、僕が感じたのは、天然木を使った複合フローリングは自然素材ではないのか?ということなんです。無垢材ほど厚くはないですが、天然の木を張ったものなら、自然素材と呼んでもいいような気もします。でも、この複合フローリングが自然素材と呼ばれないのは、その張り付ける際の接着剤に原因があるようです。シックハウス症候群と関連があるとされたホルムアルデヒドを放出する接着剤の使用などがあったため、自然素材とは言えないものになってしまいました。ですが、昔と違って現在はそういった接着剤も使われてないので、よいような気もしますが接着剤を使っている時点で失格となっている現状なんだと思います。
 
Jパネル
 
では、Jパネルという、乾燥させた杉板を繊維方向にくっつけた三層構造にした杉パネルがあるのですが、これは自然素材でしょうか。単なるムク材とは違い、乾燥による狂いが少なく強度にも優れています。接着剤も無色で、ホルムアルデヒドを含まない水性のものを使用しており、住宅にも使用できる安全な材料です。しかも、間伐を行った杉材を有効利用しているので、いいコトずくめな材料です。僕は、これ自然素材にいれてあげたいです。接着剤も使ってますが、これはよいような気がします。
 
少し考えると自然素材と境界ギリギリのラインも見えてきました。最終的に何にするかは、いろいろな条件で決定することになると思います。ですが、それぞれ一長一短あると思うので、理解して使用していただくことが、住み続けていく時に大切なことだと思います。
 

2015.01.26

窓の庇

YKKAP コンバイザー
 
この窓の庇もコロンコーポについていた庇です。庇は、雨除けにも日除にもなるので、軒が出ていない建物の場合はあるとよいですね。庇の裏側に黒い線が横にはしっているのが見えると思います。現場でみていて、これなんだろう?と思っていたので、帰ってきて調べてみたんです。
 
YKKAP すだれフック
 
それがこれでした。市販品のすだれが取付できるようなフックがオプションで設定されていたんです。どうせ庇をつけるのであれば、こういう一石二鳥的なアイテムのほうがうれしいですよね。夏よく見るようになった風景として、窓に掛けられているすだれ。しかも、そのすだれがキレイに掛けられているお家のほうが、どうも僕調べでは少ないように感じます。こういうフックがついていれば、すだれもキレイに掛けられるので、庇をつける場合はこういうのをお勧めしたいです。
 
YKKAPのコンバイザーという商品でした。リンクはこちらです。カラーバリエーションも、ブラウン・カームブラック・ピュアシルバー・マットステンT・ホワイトの5色から選べるので、どんな住宅にもあわせることができそうです。

2015.01.18

ウッドロングエコとは・・・

tate_gaiheki
 
この写真を見て、何の写真なのか分かる人はよっぽどのムジラー(無印良品大好き)だと思います。私も無印良品が好きなので、無印良品が手がけている住宅があるのですが、そちらにもとても感心があります。
 
そんな無印良品の家から最近発表されたのが「縦の家」という住宅です。この住宅は、東北芸術工科大学の竹内教授が設計に参加しており、とても断熱性能の良い住宅となっています。その住宅の外壁が上の写真なんです。なんと、杉板が採用されていたんです。なかなか、大手の住宅メーカーなどで外壁に杉板が採用されるということはないと思います。ほとんどが、サイディングというとても安定した材料ですが、無機質な外壁になっているのが現状です。
 
無印良品もよく採用したなぁとも思うのですが、その外壁の保護塗料として使われているのが、ウッドロングエコという塗料だったんです。この材料は、高気密高断熱では知らない人はいない秋田の西方設計で使用されているのを知っていたので、余計どんなものなのか気になっています。
 
ウッドロングエコとは、天然成分のみで作られた木材保護剤、新しい木に塗ることによって、木材に腐朽菌が発生しにくい環境をつくり、木材を安全に長持ちさせます。また塗り直しも必要ありません。
 
製造しているところのHPでは上記のような説明文がありました。一番重要なのは、塗り直しが必要ないというところですよね。杉板の外壁というのは、自然素材で環境にもやさしく趣もありますが、単価的には安く仕上がる素材になります。それに、このウッドロングエコでメンテナンスフリーになるなら、採用しない理由が見つからないなぁと考えておりまして、ぜひ使ってみたい材料のひとつです。

2014.12.29