天井の場合は、基本的には壁編と同じように考えていただいてよいと思います。ただ、天井で使いたい素材もありますので、それを紹介させていただければと思います。写真は葦ベニヤという素材の天井材になります。あまり、聞きなれない言葉かもしれませんが、葦はあのイネ科ヨシ属の多年草の葦になります。「アシ」ともいうらしいのですが、「悪し」に通じるのを嫌って「ヨシ」と言われるようになったようです。
この素材は、僕が住宅を建てようとしていた10年程前に、建築家の横内敏人さんが手がけた住宅を雑誌で見かけてから、とても魅力を感じ使ってみたいと思った素材でした。普通は、和風建築の天井材として使う素材ですが、住宅のリビングなどに使われている写真をみると、和風すぎることなく、和風の雰囲気も感じられる空間が広がっているのが、とても魅力的に感じました。ですので、どんな感じになるのか、自分の家でも試してみたという次第です。寝室の天井に使ってみたのですが、なかなかの雰囲気です。ただ、葦に虫がわかないのか、いまだに少し疑問になりますが、たぶん大丈夫だと確信を得たような時期になりました。10年経ちますが、虫は降ってきません。この自然素材シリーズを考えていたら、まさしくこの天井材も自然素材だなと思い、こうして書いている次第です。
床・壁・天井と自然素材を見てきましたが、もっと部位ごとに考えられる自然素材はまだまだたくさんありますので、今後少しずつ不定期で書いていきたいと思います。住宅を考えるというのは、すごくたくさんの選択肢から、絞っていく作業でもあるんですよね。素材をいろいろ見ていて、そんなことも感じました。