コルポ建築設計事務所

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自然素材とは?床編

フローリング
 
よく耳にする自然素材という言葉ですが、どういうものが自然素材なのか、あらためて考えてみるシリーズの床編です。興味があれば、お付き合いください。
 
床材は自然素材=無垢フローリングという図式が成り立っていると思うので、非常にわかりやすいと思います。では、その無垢フローリングではない床材にはどういうものがあるのでしょうか。
 
まずは、同じフローリングですが、無垢ではない複合フローリングというものがあります。複合フローリングは、合板の表面に化粧材を張ったものをいいます。その張った化粧材も、薄く削った天然木使ったものと、樹脂化粧シートなどの特殊な加工の化粧材を張ったタイプに分けることができます。
 
ここで、僕が感じたのは、天然木を使った複合フローリングは自然素材ではないのか?ということなんです。無垢材ほど厚くはないですが、天然の木を張ったものなら、自然素材と呼んでもいいような気もします。でも、この複合フローリングが自然素材と呼ばれないのは、その張り付ける際の接着剤に原因があるようです。シックハウス症候群と関連があるとされたホルムアルデヒドを放出する接着剤の使用などがあったため、自然素材とは言えないものになってしまいました。ですが、昔と違って現在はそういった接着剤も使われてないので、よいような気もしますが接着剤を使っている時点で失格となっている現状なんだと思います。
 
Jパネル
 
では、Jパネルという、乾燥させた杉板を繊維方向にくっつけた三層構造にした杉パネルがあるのですが、これは自然素材でしょうか。単なるムク材とは違い、乾燥による狂いが少なく強度にも優れています。接着剤も無色で、ホルムアルデヒドを含まない水性のものを使用しており、住宅にも使用できる安全な材料です。しかも、間伐を行った杉材を有効利用しているので、いいコトずくめな材料です。僕は、これ自然素材にいれてあげたいです。接着剤も使ってますが、これはよいような気がします。
 
少し考えると自然素材と境界ギリギリのラインも見えてきました。最終的に何にするかは、いろいろな条件で決定することになると思います。ですが、それぞれ一長一短あると思うので、理解して使用していただくことが、住み続けていく時に大切なことだと思います。
 

2015.01.26