コルポ建築設計事務所

Eco

オフィスにも断熱を


 
上の写真は、私が現在借りている事務所の改修前の写真です。この見晴らしのよい大きなガラスなのですが、シングルガラスという断熱的には非常に不利な状態でしたので、自分が借りる際は断熱改修することを前提に借りようと考えておりました。
 
私が独立したころに比べると、高断熱高気密の住宅はだんだん増えてきたなと感じているのですが、一向に進んでいないのが多くの人々が働いている環境の断熱化だと感じるようになりました。最近は働く環境の良し悪しがだいぶ論じられる機会はあると思うのですが、その働く環境の温熱環境までには話が及んでないように感じます。ですが、きちんと高断熱高気密化された環境は、日々の光熱費の削減に寄与するだけでなく、ストレスのない労働環境を生み出し、生産性の向上なども望めることになります。暑くないし、寒くないので、仕事に集中できる環境になるんですね。また、暖冷房負荷の軽減は、環境負荷への低減になるなど、まさにやって損になるようなことはなにもないはずなのですが、あまり進んでない状況です。
 

 
オフィスの断熱改修は住宅よりも単純に実現できます。そのタイミングはやはり上の写真のような賃貸契約するタイミングだと思います。床・天井・壁を断熱材で覆いながら、窓の弱い部分に内窓を設けるなどするだけです。
 

 
上の写真の白いサッシが既存のアルミサッシ(ガラス一枚)になります。そこに樹脂窓を内側から取付けています。
 

 
また、私の事務所の玄関ドア(茶色い扉部分)は、スウェーデンのスニッカルペールというメーカーの高断熱ドアとなっております。細かいことですが、こういうことに気を配りながら、気密シート張って改修工事を行うことで、とても快適な環境となっております。賃貸なので、致し方ない部分ももちろんありますが。。。
 
日本は、2030年までの二酸化炭素の削減率を46%にすることを目標にしておりますが、どんな手段で実現していくのか、あまり積極的に論じられておりません。実際にできることからやるという意味では、住宅もそうですが、オフィスにも力を入れていきその削減を目指していければいいのではないでしょうか。家も、オフィスもストレスない環境で暮らせたら、とても幸せを感じられそうです。やまがた健康住宅だけでなく、やまがた健康オフィスなどの基準があってもいいですね。

2022.04.06