コルポ建築設計事務所

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壁の中の結露とは?(内部結露)

内部結露
 
昨日は、日常よく見られる表面結露のことについて書きましたが、今日はその表面結露より問題になる、壁の中で起こる結露についてです。
 
一般にはあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、内部結露とは、壁の内部といった通常は見えない箇所で起きる現象のことをいいます。表面結露については、目に見えるために容易に判断できるのですが、この内部結露については、普段の生活では確認できないため、いつの間にか構造材が腐っていたり、表面結露と同様にカビの発生等も考えられます。
 
内部結露は、冬期において、室内の湿気が壁の仕上げ材などを通りぬけ、室内より乾燥している外気へと向かうことで発生します。壁の中は、室内側から屋外側へ向かって温度が下がっていきます。外へ向かう湿気は壁を通過する途中で冷やされて、露点に達し、そこで結露が生じます。
 
では、そのやっかいな内部結露を防ぐにはどうするのでしょうか。室内側の湿気が外気に向かうことで内部結露が生じるため、その湿気を外気に向かわせなければ防ぐことが可能になります。そのためには、断熱材の室内側にポリエチレンフィルムなどの防湿シートを設置します。(上部図参照)そうすることで、室内の湿気を防ぎながら、気密性も高めることができます。今では一般的になっている通気工法の通気層も湿気の排出を促すので有効ですね。
 
ちょっと、専門的ですが、壁の中でも結露が起こりうる、ということだけでも覚えていただければと思います。あとは、きちんと設計されていれば、心配いりませんから。

2014.12.24