コルポ建築設計事務所

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東日本大震災と独立

2011年3月11日の東日本大震災から、4年が経過しました。山形は、地震による被害もほとんどなく、電気が使えないちょっと不自由な生活が続いただけでした。あの震災がきっかけとなり、自分の考え方が大きく変わった人はたくさんいると思います。かくいう私も、その一人でした。地震、津波に加えて、福島原発の事故は、地球におけるエネルギー問題を考えるきっかけとなるには十分な事故でした。
 
それまで、エネルギー問題を考えてこなかったわけではありませんが、真剣とは言えませんでした。それが、あの事故をきっかけに真剣に考えるようになりました。いろんな本を読み漁り知識を得て、自分で考えられるようになろうとしていました。そして、わかってきたことは、建物が使用するエネルギーがとても多いことでした。ですので、どんどんエネルギーを使用しない方向へ加速度的に進んで行くものと、その時は考えていました。ですが、1年経過してもそんな兆しはなく、このまま何も変わらないのかと思い始めたら、変わらないところで働いているのが、少々つらくなってきていました。
 
私は、直接お客様とやりとりできる住宅の設計が、設計の中でも一番やりたいことでした。ですから、今後は住宅をメインとしてやっていきながら、できるだけエネルギーのかからない住宅を生み出していけたらと思い、独立にいたりました。エネルギーのかからない、燃費のよい家を勉強して行くうちに、そういう住宅はそんなに難しいものでもなく、断熱材をたくさんいれて、きちんと隙間を防げばいいこともわかってきました。さらに、そういう住宅は健康にもよいということも。住宅なので、予算条件などたくさんありますが、できるだけそちらの方向へ向かうように設計したいと常々心がけています。
 
あの東日本大震災が起こったことで、自分の意志が決まったということは、ちょっと情けなくもありますが、あの未曾有の出来事をできるだけ、前向きに捉えて、進んでいくことしかできないので、決意を新たに頑張っていこうと思いました。
 

2015.03.11