コルポ建築設計事務所

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蓄熱フローリングシステム「エコ熱プラス」

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上の図は、永大産業株式会社と三菱樹脂インフラテック株式会社が共同で開発した新しい冷暖房システム「エコ熱プラス」の断面図になります。僕が注目したいのは、このシステムではなくフローリングの部分。一般の住宅に数多く普及している厚さ12mmの木質フローリングの中に、5mm厚のゲルシート上の蓄熱材が入っているフローリングが気になりました。
 
太陽の日射は効率よく室内に取り込むことで、暖房負荷を低減させることができます。日射がまず床に当たることになるので、この部分で蓄熱できるような仕組みが一番効率的なんです。たとえば、床がコンクリートで仕上げられていれば、そのコンクリートに蓄熱することが可能になります。ただし、その場合には、ある程度居住性が犠牲にならざるを得ません。なかなか、コンクリートの土間床で日常生活したいと思う人は少ないし、やっぱり床があって裸足でという方のほうが多いと思います。
 
例えば、南側の日射が当たる部分に、この蓄熱材が入っているフローリングを使うことで効率よく太陽の日射を取り込んで、暖房負荷を下げることができるのではないかと思います。このシステムは通常の床暖房のような専用放熱パネルを組み込んだものになっていますが、このフローリングだけでも販売してくれたら、試してみたいところです。ただ、12mm厚のフローリングの中に5mmの蓄熱材を入れているため、歩行感はちょっと犠牲になるかもしれません。それでも、自然エネルギーをなるべく取り込んだほうが良いという考えの方には、おすすめしていけるのではないでしょうか。
 

2015.03.08