昨日は、ヒルズサンピアで行われたエコ住宅シンポジウムに参加してきました。基調講演は松尾設計室の松尾さんだったのですが、講演を聞くのは二度目でしたので、うんうんと頷きながら聞いていました。そんな中、あらためてビックリしたことがあったのですが、それは日本の窓の基準には最低基準がなかったとういうことです。上の表は、日本経済新聞 電子版の松尾さんの記事からお借りしてきたものです。これが世界各国の窓の断熱性に対する最低基準ということになります。
表中のUw値という欄にいろいろな数値が書かれておりますが、これが窓の断熱性能を示す「熱貫流率」という数値になります。単位はW/㎡(平方メートル)・Kで、1㎡当たりかつ1時間当たりに通す熱量を表しており、数値が小さいほど熱の出入りが少ないことを意味しています。熱の出入りが少ないので、そのほうが窓としての性能が高いことになります。こうやって、各国の最低基準をみていただくとわかりますが、窓としての性能が一番低くてスペインの2.1~2.8というU値なのがわかると思います。
しかし、日本には窓の最低基準がないために、どんな窓でも使用可能な状態です。いわば、野放しということでしょうか。そのため、よくあるアルミニウム製の枠に一枚のガラスを使った窓は、U値が6.5W/㎡・Kと、とんでもなく低性能な値ですが、今もこうしたタイプの製品を販売することが許可されているということなんです。私からすると、そんなサッシを生産する意味もすでによくわからないのですが、最低基準がないために、実際にそういう窓が取り付いている家があるということになります。窓からの熱の出入りは全体の5割近くにのぼるため、非常に重要な部位なのですが、そこが野放し状態だということを建て主の方も理解していただければと思います。
なぜ、このような状況なのかはわかりませんが、サッシというのは、一見するとその形状だけでは、どんな仕様なのかわかりにくので、これから住宅を考えている方は、是非サッシのこの数値(U値)を確認していただければと思います。