以前に3回程やっている自然素材とは?シリーズですが、床・壁・天井と表面の仕上材と言われる部分をやりましたので、今度は壁の内側に入って断熱材編です。自然素材の断熱材と呼ばれるものには、セルロースファイバーだったり、羊毛断熱材だったりとありますが、これからはこの断熱材がだんだん増えてくることになるんじゃないでしょうか。
それが上のウッドファイバー(木質繊維断熱材)というものになります。最近は、山形でもペレットストーブの人気が高まっているようなんですが、その燃料となる木質ペレットは、丸太、樹皮、枝葉など木質バイオマスを原料につくられています。これらの原料は伐採したら植林するという循環を保っていれば、再生可能な資源です。そのペレットと同じように、ウッドファイバーは再生可能な木材を原料とした断熱材になります。
循環型の社会を考えれば、現在主流となっているガラス繊維や発泡樹脂による断熱材ではなく、地域循環型の木製繊維の断熱材へと徐々に切り替わっていくと思います。ただ、現在は北海道苫小牧市に工場を持つ株式会社木の繊維さんだけが製造しているので、これが全国各地でつくられるようになって、どんどん普及していってほしいです。
上の写真は、秋田の西方さんによる住宅ですが、天井のストライプにみえる部分が、このウッドファイバー断熱材になります。こんな風に意匠的に工夫して使ったりできる利点もある素材です。ただ、現時点では、グラスウールにくらべると割高感はあるので、条件のなかで検討する必要はあると思います。でも、全部が木で囲まれていると想像すると、とても贅沢な感じもしますね。