コルポ建築設計事務所

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先生が語る 病気にならないための家づくり

これから住宅を建てることを検討されている方には、ぜひ読んでいただきたい本の紹介。「先生が語る 病気にならないための家づくり」という本です。これまで、住環境と健康というのは、そんなに関係性があるとは考えられてきませんでしたが、最近は密接な関係性が明らかになってきております。これを読んでいただければ、その関係性が少しでも理解していただけるかと思います。
 
先生が語る 病気にならないための家づくり
 
例えば、家庭内の不慮の事故死は65歳以上の高齢者に集中しており、なかでも入浴事故や転倒転落といった住宅に起因する死者数が全体の半数を占めています。事故の背景を見ると、心疾患や脳血管疾患などの循環器疾患による死亡が多く、こうした事故は暖かい時期より、冬に増加する傾向があります。つまり住宅の「寒さ」が大きな原因になっているんです。
 
そういった住宅と健康の関係性が何人かのお医者さんから語られている本になります。家族が健康に暮らせる家づくりは非常に大切なことだと思いますので、どこで建てるにせよ、ぜひこの本をご一読されてから住宅の計画を進めてください。
 

2015.12.13

HEAT20 外皮性能グレード(2015年12月改定版)

12月8日に突然HEAT20の外皮性能グレードの改定版が発表されました。つい先日、このブログに少なくとも今後の住宅は、G2のグレードで施工していかないとと書いたところでしたが、もうワンランク性能をアップしていこうという提案になっています。
 
HEAT20 2015年12月改定版
 
HEAT20というのは、2020年を見据えた住宅の高断熱化をめざしているものですので、その基準が引き上げられたということは、できるだけ住宅については断熱していこうという意志の表明になると思います。断熱は予算の許す限り、できるだけしとけということでしょうか。2020年でも快適に過ごしていく住宅をつくるには、今のうちからこの推奨基準にできるだけ近いほうがよいということになります。
 
今回のG2基準をクリアするためには、多少予算がかかるので、まずは最低限G1基準をクリアするところからはじめたら良いと思います。その上で、予算が許せばG2基準を目指すという段取りになるのではないでしょうか。少し前に、書いたばかりで基準の改定がありましたので、あらためて書かせていただきました。
 
くわえて外皮の性能も大事ですが、それは気密性能を確保したうえでの話ですので、そのことも忘れないでいただきたいです。推奨基準には気密の話が出てきませんが、この基準はきちんと気密が確保されていることが大前提ですから。外皮性能が良くても、気密がしっかり確保できていないと、その性能は発揮できないんです。
 

2015.12.11

屋根断熱と天井断熱

みはらしの家は、ちょうど防湿気密シートの張り方が終了した段階になりました。今回、屋根断熱の部分と天井断熱の部分の両方あるため、少しご紹介したいと思います。
 
屋根断熱
 
上の写真は屋根断熱部分の写真になります。この部分は、吹抜になっているので、天井が屋根と同じ勾配で張られることになります。通常、こういった部分は屋根の部分で断熱するため屋根断熱と呼ばれます。赤く見えるのが断熱材で、白っぽく見える木が垂木と呼ばれる構造部材になります。しっかりと断熱材が入っている感じがお分かりいただけると思います。少し茶色く見える木は、母屋といわれる構造部材になりますが、この部分は建物完成後も見えてくる部分になります。
 
天井断熱
 
一方、吹抜がない部分は天井が屋根よりも低い位置で張られるため、その部分で断熱することになります。それが、上の写真の天井断熱ということになります。屋根なりではなく、平らに天井のラインにそっって断熱材が充填されているのがお分かりいただけると思います。断熱は、どちらの方法で行ってもよいのですが、きちんと断熱材が入り防湿気密シートが丁寧に施工してあることが、とても大切になります。
 
天井断熱 ダウンライトボックス
 
少し細かい話になりますが、上の写真は照明器具が取り付く部分の写真になります。取り付ける照明器具には、高気密対応の機器とそうでない機器があります。ですが、高気密対応の機器でも、まだ信頼性に少し掛ける部分があるのが現状です。ですので、現場では照明器具が取り付く部分はこのようなボックスをつくり、そこで気密を一旦確保してから、天井に照明器具をつけることにしています。
 
こうすることで、現場の大工さんはひと手間余計にかかってしまいますが、建物の性能を確保しながら照明器具を自由に選ぼうとするとこのような選択になります。あたたかい住宅をつくるということは、こういう細かい部分の配慮の連続なんですよね。地味な部分ですが、とても大切な部分だと思います。
 

2015.12.04

みはらしの家 断熱構造見学会終了

断熱構造見学会
 
28、29日に三浦建築さんと開催させていただきました断熱構造見学会が無事終了いたしました。見学に来て頂いた方には、じっくりと断熱気密の要の部分を見ていただけたのではないかと思います。通常の完成見学会では、隠れてしまう部分ですが、こういった段階でいろいろな方々に見ていただく機会を設けていければと思います。
 
最後にこのような見学会の開催に快諾していただだいたクライアントに御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
 

2015.11.30

HEAT20の推奨基準を考える

heat20
 
上の写真は、HEAT20の設計ガイドブックです。HEAT20がどのくらい認知されているのかわからないので、ちょっとHEAT20について書いてみようと思います。
 
HEAT20とは、2009年に発足しました「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称。何度かこのHPでも次世代の省エネ基準が最低の基準であることを書かせていただいておりますが、その先の目標となる推奨基準がHEAT20では示されています。ですので、次世代省エネ基準をクリアしている性能の住宅より、HEAT20の推奨基準をクリアしている住宅のほうが、断熱性能が高いことになります。
 
個人的には、これから建てる建物はこのHAET20の推奨基準を最低でも満たしたほうが良いと考えています。そういった意味で基準となる数値だと思います。ちなみに、推奨グレードが2つあって、HEAT20 G1とHEAT20 G2の2つになります。それぞの数値は以下のようになります。(山形市:地域区分4)
 
HEAT20 G1 :UA値 0.56  Q値 1.9
HEAT20 G2 :UA値 0.46  Q値 1.6
 
このぐらいの数値ですと、熱交換器を使用しなくてもクリアできる基準ですので、コストもそんなに増加せずに実現できる性能だと思います。ここから、さらに性能をあげて、床下エアコン暖房などをやっていこうとすれば、熱交換器などの設備機器が必要になるレベルです。今後満たしていくべきと先ほど書きましたが、できればG2の推奨基準をクリアして建てるべきと考えています。手間はそんなに違わないので、どうせなら上の性能を考えてみてください。断熱性能を高めた住宅を求めている方は、HEAT20 G2をクリアするようお願いしてみるとよいと思います。
 
現在施工中のみはらしの家はそのHEAT20 G2よりも若干性能が高いのですが、実際に現場を見ていただければ、より理解が深まるのではないでしょうか。HEAT20については、こちらのページに詳しく記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。
 

2015.11.24